2007年 12月 21日
作る
あのトマトまだですか?
半年前から問い合わせてくださる、いつものMさん。 手紙で「野生の証明」のトマトの紹介をしていったことから、時々電話がある。 秋、収穫を終えたばかりの畑は、大仕事を終えて、ほっと一息ついたような静けさだった。 「テントを1人で張るんだよ。風がぴたっと止まる時間がある。そのときにテントを張る」 「自然の力を借りるんだよ・・・」 丁寧に植えられた苗たちは、すくすくと育ち始めた。 今、黄色い花がうれしそうに咲き、収穫の時をまっている。 小さい花々が全て太陽の方向を向いている。 数センチのくるいもなく・・ ただ圧倒されるばかりだった。 実ったばかりのトマトを口にした。なぜだか涙がこぼれた。 涙の理由は分からない。 ご飯も妹や弟のためにまともに作れなくて、悩んでいる様子の妹にゆっくりと話を聞くこともできず、気づけば、自分のことばかりだった。 今までしてきたことは、何だっただろう。 「あなたの行いに愛がなければ、それは全てしなかったことと同じ、無駄」 自分が幸せでも、家族が幸せでなければ意味がないのだ。今を変えたい そう思って、夢中になって取り組んできた。会話が減っていることにも気づかずに。 動けなくなってしまった。 このトマトの完成度をみたら、足がすくんだ。 今の状態では、何も生み出せないと思った。 1つのものを作りつづける。厳しさとやさしさ。 「その強さはどこから来るのですか?」 思わず口をついてでてしまっていた。 ただにっこりと微笑む・・。 言葉ではない。浅はかな質問だったと反省する。 どれほどのたくさんの人が癒されただろう。どれほど多くの方が、生きる力を 与えられただろう。 今の私も全てここから始まったような気がする。 野生の証明が紹介されているホームページをみて 「この人にあってみたい。」そう強く思った。 畑にいくのさえ、恐れ多かったあの頃。 結局、何もできないんだ。全て無駄だった、と沈み込んでいたあの頃。 トマトに出会って、作る方の姿をみて、あともう少し頑張ろう、伝えたい。 そう思えるようになった。 1つのものを愛し、作り続ける。 その人が愛をもって作り続けた作物は、また愛を運ぶのだろう。 それは、きっとやさしさや厳しさでもある。 今、大切に育てられた、トマトたちは、収穫の時をまっている。 もうすでに全国から予約でいっぱいだった。 また新しい感動と、出会いの物語が始まる・・ 「お父さんは、いつでもここにいる。」 たくさんの出会いのきっかけを与えてくださったこと、時には厳しく、 時には、大きな手で包み込むようなやさしさを忘れません。
by fukui2006
| 2007-12-21 03:15
|
カテゴリ
以前の記事
2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2006年 12月 フォロー中のブログ
a little tas... 創作工房 さねんばな 奄美ICTブログ 前田守 アイペンシル シマの表現... 奄美の風愛の風輝くブログ... "やる気は才能に勝つ"を... 奄美のお月さま~ぶどう館... ピザリコのブログ 奄美イケル!@奄美市IT人材塾 奄美大島発「零細企業の業... 頑固一徹、気は優しい、黒... 熟年おばぁ~のIT人材塾 HAの調整について考えるブログ 奄美での経営塾編 TORTUGA日記 奄美の福祉ベーカリー「あ... メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|